洋書、時々プログラミング

博士課程修了→メーカーという経路を辿っている人の日常

複数の視点を持つこと

エンジニアとしてものづくりに携わっていると技術だけでは解決できないことがある。例えばマーケティングならユーザーの側にたった考えが必要だし、規制の面から言えば法律や関係省庁から発されているガイドラインを読み解く力が要求される。ずば抜けた技術を持っているのであればその力だけで生き抜くことも出来るかもしれないけど、自分を含めた大多数はこういったエンジニアとは違う視点を取り入れて業務を遂行していく必要がある。

こういった業務で違う視点を取り入れるという要求は抵抗感があるときがある。なぜならエンジニアの頭でものを考えて試作品を作っている方が楽しいからだ。だがそれだけでは製品が世の中で使われることは無い。企業のエンジニアなら製品を発売しないとエンジニアとしての活動まで制限されてしまうかもしれない。

自分もかなり抵抗感があったし、関係部署に書類を突き返される日々が続いて嫌になったこともある。でもその試行錯誤で得た考え方は間違いなくエンジニアとして役に立っていると思う。プロトタイプをどうやって店頭に並ぶまで持っていくかというロードマップを頭で描けるようになると、ゴールをイメージした試作がやりやすくなる。そうなればどこでもやっていける技術者と自信を持って言えるだろう。転職してもそこの市場と規制を理解する作業から始めれば良い。

日々色々な部署と打ち合わせをしているとまだ自分にはない考え方が多く、仕事に新鮮さを感じることができる。これからも内に閉じこもらずに、自分がてがけた製品を世の中に出す為にも色々な立場の人の考え方を吸収していきたいと思う。