洋書、時々プログラミング

博士課程修了→メーカーという経路を辿っている人の日常

ブルーピリオドを読んで芸術を見たくなる

冬休みにnetflixを色々見ている中でブルーピリオドというアニメがかなり印象に残ったので、実家に帰ったときに本屋で15巻全て購入して読了。芸術に目覚めた高校生が芸大受験と大学生活を通して表現と向き合っていく話で、エンジニアにも大事なことがあると思ったのでメモ。

テーマを解釈するには思考し続ける必要があるということ

よく~~をテーマにして何かを作れという課題を出されているが、それを額面通りに受け取って作るだけでは他の人にも作れる解釈になってしまい、凡庸な制作になってしまう。そのような状況を脱出し、誰でもできるような制作から脱出するためには、自分が納得するまでテーマを考え抜く必要がある。考え続けるのは大変ではあるけれど、結論が出るタイミングは突然だけど妙に納得できるものが出てくる。この段階に至るまで考え抜くことでテーマの解釈に独自性が出てくる。

エンジニアがものを作るということは、そこに何か意味を込める必要がある。改良品であれば、使いやすいことや安いというメッセージで売れると思うが、前例が無い製品を作る場合は、新しいメッセージを自分なりに作り出す必要がある。そのような状況でこそ、こういう思考し続ける力というのが重要になっていくと思う。

技術は考えたテーマを表現するための手段であること

大受験の際、浪人生のほうが技術が高くなる傾向にあるが、技術の高低だけで決まるのであれば芸大受験も浪人生が受かるものになるが実際はそうでない。技術だけで絵が描けるわけではなく、テーマに対して適した技術を選定する必要がある。

こういう話はエンジニアでもよくある、すごい技術があったとしても技術だけでは物が成り立つわけではない。荒い言い方をすると、技術はコンセプトを実現する手段でしかないということである。そのため、ものづくりをするのであれば、多くの技術を理解して、必要な時に使う姿勢が大事になる。

とにかく考えずに手を動かす時間も必要ということ

2年生になって初めての課題では、主人公は考えすぎて筆が進まなくなってしまうが、結局描き始めると、次々と描きたくなり、なんとか課題を完成させることができている。テーマの深掘りなど、考えることも大事なときもあるが、時には何も考えずにものを作ったり文章を書いたりするという基礎トレーニングの時間も大事なのかもしれない。