洋書、時々プログラミング

博士課程修了→メーカーという経路を辿っている人の日常

鴻上尚史のレッスン本その2 幸福のレッスン

次の本は幸福のレッスン

 

「自分は何を幸せと感じるか」という質問の答えを見つけることは、幸せに生きるための条件である。誰に何を言われても揺るがない答えを見つけるにはどうすれば良いのかという方法を書いた本。

 自分にとっての幸福を見つけ出すことはとてもむずかしい。でもいくつかのやり方がある。まず自分の心と向き合うことである。情報に溢れている今では静かに自分の心と向き合うことは難しい。なので、一人旅にでも出て、テレビも何も見ず、ぼーっとし続けることがおすすめされている。このような状態で、言葉にならなかった想いが言葉になってふっと出てくるようになる。

 「自分が何をしたいか」わからない状態は不安である。だけどその状態は逆に、色々な物を吸収できるのだから、楽しまなければ損である。この時は信用できる先輩の話に関しては考えずに判断を保留して従ってみるのも良い。乾いたタオルのように色々なものを吸収していくべし。若い時はイメージを守るために必死になってしまうけど、そんなものを守って何になる?失敗して強くなろう。「心に怪物を飼え。決して安定するな。」

 その中で「なりたい自分」が見えてきたら「今の自分」と比較してみよう。きっと足りない所があるはずだ。そのギャップを埋めるにはどうしたら良いかを考えて、努力してみよう。0か100かを目指さないように。30点でも一歩前に進めれば良いんだから。そのために、ただただ、努力することをしてみよう。

 色々なことをやっていると辛い時もあるかもしれない。だけれども、ユーモアを忘れないようにしよう。「どうにもならないこと」を悩むよりも「どうにかなること」を考えて、ポジティブに楽しみながら前に進む方が良い。「もうダメだ」を「大丈夫」と言い換えながら進んでみよう。「もうだめだ」というのは自分の思い込みかもしれないよ?そう思い込んでいる理由をメタ的に振り返ると良い。不安なんかに押しつぶされないように、物事を多面的に見てみよう。

 

という感じの本でした。

<感想>

言っていることの一つ一つは今まで自分が読んできた本の中でちらほら出ていることもある。「心に怪物を飼え。決して安定するな。」とかは「衝動で動け」というアオアシに似たものを感じるし、ただただ努力するというのは研究室の先輩方がそうだった。

でも、この本の価値はそれを改めてまとめて、別の観点から説明している所にあると思う。そのおかげで自分にとって幸せになる方法を改めて考え直すことができるからだ。こうすることで、幸せになる方法をとらえなおし、意識して使うことがやりやすくなる。

 

「揺るがないなにか」というのはG戦場ヘヴンズドアにも出てきた。自分もここに書いてあることを意識しつつ日々をユーモアたっぷりに生きていきたいとは思う。